ヘルムズデール

Helmsdale

ヘルムズデール駅に降り立つと、時間は一本の川となって足元を流れ去る。かつて駅長が暮らした宿舎は廃墟を経て旅人の宿に転じ、鉄道は王を迎え、村人の記憶を静かに照らした。この村は追われた人々の再定住地として計画され、名は川と谷、ノルウェーの影を重ねて生まれた。

毒殺と逃亡の歴史を呑み込んだ城は道路に姿を譲り、テルフォードの橋だけが川の意思を伝える。金を求めた人々が砂利を掘り返した支流のきらめきは、今も胸奥で微かに鳴る。ヘルムズデールは、鉄路に導かれ過去と現在が同時に訪れる場所である。

ヘルムズデールの駅近く

update: 2024年1月6日