ジョージマス・ジャンクション

Georgemas Junction

ジョージマス・ジャンクション駅は、スコットランド最北の大地において、線路が思案の末に分かれ合う場所である。ファー・ノース線を進む列車は、ここで一瞬ためらい、農村の広がるケイスネスの奥へと静かに身を預ける。周囲にはジョージマスやロードサイド、バニスキルクの畑が連なり、少し西へ歩けばハルカーク村の生活の匂いが漂う。

駅名に宿る聖ジョージの日の農業市の記憶は、今や地図の余白に溶け込み、1874年から続く名だけが風に残されている。ジャンクションとは分岐の意味であり、同時に旅人の心が進路を迷う地点でもある。人影のまばらなホームに立てば、かつての市の喧騒と現在の静寂が重なり合い、時代を跨ぐ旅が始まる。ここへ来ることは、北の大地に問いを置き去りにし、ゆっくりと答えを待つ行為に等しい。

ジョージマス・ジャンクションの駅近く

update: 2024年1月26日