ガーヴ

Garve

ガーヴ駅は、北の湖と川に挟まれた小さな結節点であり、旅人の思考をゆるやかにほどく場所である。ガーヴ湖の東端、ブラックウォーター川の流れに寄り添う村は、地図では通過点にすぎないが、降り立てば時間の密度が変わる。線路はカイル・オブ・ロカルシュ線として静かに延び、踏切で主要道と交差し、鉄と舗道が慎ましく挨拶を交わす。

商店はなく、小学校と郵便局が村の重心をつくる。その簡素さが、かえって風景の余白を広げる。かつてウラプールへ向かう鉄道の起点が夢見られ、今はコミュニティの手で未来が手入れされている。道は分岐し、湖は光を返し、列車は迷いを連れてくる。ガーヴは、目的地を忘れるために訪れるにふさわしい場所である。

ガーヴの駅近く

update: 2024年2月17日