フォールドハウス

Fauldhouse

フォールドハウス駅は、二つの都のほぼ中間という、世界の継ぎ目のような場所に慎ましく腰を下ろしている。列車を降りると、標高の高い空気が肺に入り、かつて地下へ地下へと伸びていった鉱山の記憶が、風となって村を吹き抜ける。

十八世紀に始まった採炭の熱気はすでに去り、二十世紀半ばに坑口は閉ざされたが、その時間は地層のように足元に積もっている。南西端にある駅から歩けば、切石造りのコテージが整然と並ぶガリバルディ通りに出会い、三つの集落が一つに縫い合わされた村の来歴を、静かな壁面が語りだす。

採石場の名残と高原の光に包まれたこの村では、途中下車という行為が小さな冒険へと変わり、フォールドハウス駅は旅人に遠回りの愉悦をそっと差し出す。

フォールドハウスの駅近く

update: 2022年5月3日