ダンケルド・アンド・バーナム駅は、列車が平地の時間を脱ぎ捨て、物語の勾配へと踏み入る境目にひっそりと置かれている。ガス灯の名残を長く灯していたホームには、近代化に抗うような余韻が漂い、北へ向かう覚悟を旅人に問いかける。
テイ川を挟んで大聖堂の町ダンケルドと、シェイクスピアの森を名に宿すバーナムが向かい合い、ここを境にハイランドが始まる。砦の名を持つ町、保存された街並み、深い森と急流。列車を降りれば、歴史と文学と地形が密やかに結託し、歩くほどに世界が古く、そして鮮やかになる。
ダンケルド&バーナムの駅近く