ダルウィニー駅は、列車が勇気を試される場所にある。ハイランドの奥深く、風と雪が物語を先に書いてしまう土地で、鉄路は湖と谷の狭間を慎重に縫う。かつて吹雪が列車を二十時間も足止めし、夜と寒気が旅人の忍耐を測ったという逸話は、この駅の名刺のようなものだ。
駅を降りると、ケアンゴームズ国立公園の西端が大きく息をし、グレン・トルイムの谷とエリヒト湖の水面が、世界の中心がここにあるのではないかという錯覚を与える。人口わずかの村は、静けさを誇りにしている。余計なものは風にさらわれ、残ったものだけが本物として佇む。ダルウィニー駅は、旅を急ぐ者から時間を奪い、代わりに広大な沈黙を手渡す。ここへ向かうこと自体が、冒険の予告編なのである。
ダルィニーの駅近く