クルランド駅は、スコットランド中央低地の奥深く、時代の層が静かに沈殿する場所にある。列車を降りると、かつて製鉄所の名を借りて呼ばれた駅の記憶が、風の中にまだ残っている。周囲の村は炭鉱の歴史を背負い、労働と忍耐によって形づくられてきた。そのためか、ここには華やかさよりも、腰を据えた時間の重みがある。
さらに歩けば、ウィリアム・ウォレスと共に戦ったクルランド家の名が、土地そのものに染み込んでいることに気づく。英雄譚は石垣や丘の起伏に姿を変え、今も村を見守っている。周囲の町から少し距離を置いたこの孤立感が、旅人に奇妙な安らぎを与える。
クルランド駅は、派手な目的地ではない。しかし、降り立つことで初めて触れられるスコットランドの芯がある。ここへ向かう列車は、過去と現在を結ぶ密やかな道なのである。
クルランドの駅近く