バルモッシー駅に降り立つと、列車の記憶だけが細く残る静寂に包まれる。ダンディーとアンガスの境にひっそりと佇むこの駅は、一日にわずかな列車しか訪れない。朝の便が去れば、ホームには風と光だけが残り、時間はゆるやかにほどけていく。
ブローティ・フェリーとモニフィースのあいだに挟まれたこの場所は、賑わいとは無縁であるがゆえに、かえって豊かな余白を抱えている。夕刻、再び列車が現れるころには、空の色も少し変わり、旅の終わりと始まりが静かに交差する。ここに降りるということは、何も起こらない時間の中へ、自ら足を踏み入れることなのだ。
バルモッシーの駅近く