アビモア

Aviemore

アビモア駅に降りると、そこは単なる通過点ではなく、山と時間が交差する結節点であることを思い知らされる。十九世紀に敷かれた鉄路は、ここで枝分かれし、人々の運命もまた分岐した。ウィリアム・ロバーツの設計による駅舎は、厳しい高地の風雪に耐えつつ、旅人を静かに迎える。

周囲にはケアンゴームズの稜線が控え、冬は白く、夏は深い緑で世界を塗り替える。青銅器時代の人影が残した環状列石から、チェアリフトが空を切った二十世紀まで、時間は層となって重なり合う。鉄道職員の家々とホテルが村を育て、スキーとハイキングが人々を呼び戻した。アビモア駅は、自然と文明が握手を交わす場所として、今日も列車の音を山々へ放っている。

アビモアの駅近く

update: 2023年2月26日