アルトナブレアック

Altnabreac

アルトナブレアック駅は、地図の余白にそっと置かれた句読点のような存在である。列車を降りると、集落と呼ぶにはあまりに簡素な世界が現れ、駅そのものが土地の中心として静かに呼吸している。名の由来となったゲール語のマスの川は、フロー・カントリーの湿原を縫うスリーチ・ウォーターとともに、時間を溜め込むように流れている。

周囲には旧学校舎と猟場管理人の家が寄り添い、かつての学び舎は住まいへと姿を変えた。少し歩けば泉が湧き、旅人の喉と心を同時に潤す。核廃棄物処分場の候補地となった過去さえ、この土地では奇妙に静かな逸話として霧散している。ここを訪れることは、世界の中心から遠ざかる行為であり、同時に自分自身の中心へと近づく、小さくも確かな旅となる。

アルトナブレアックの駅近く

update: 2024年1月25日