ドイツ代表 vs ブンデスリーガ・オールスターズ - 楽しい楽しいバイエルン・ミュンヘン

公開日:2005/01/26
ドイツ代表 vs ブンデスリーガ・オールスターズ

25日(現地時間)、スマトラ沖地震被災地へ義援金を送るためのチャリティーマッチ「ドイツ代表vs外国人チーム」が、シャルケ04のホーム・スタジアム(アレーナ・アウフ・シャルケ)で行われた。とにかくメンバーは豪華。バイエルンからはドイツ代表にカーン、バラック、フリングス、シュバインシュタイガーが登場。“ブンデスリーガ・オールスターズ”にはマカーイ(前半のキャプテン)、サリハミジッチ、ゼ・ロベルト、ルシオが参加。
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 25日(現地時間)、スマトラ沖地震被災地へ義援金を送るためのチャリティーマッチ「ドイツ代表vs外国人チーム」が、シャルケ04のホーム・スタジアム(アレーナ・アウフ・シャルケ)で行われた。
 外国人チームの名は“ブンデスリーガ・オールスターズ”。ずいぶんゴージャスなネーミングになっているのは、このチームがファン投票で選ばれたからで、ファンにとっては見たい選手ばかりだ。

 残念ながら、週末に行われたリーグ戦で負傷したペトロフ、ダレッサンドロ(共にボルフスブルク)、デデ、ロシツキー(共にドルトムント)、フアン(レバークーゼン)が直前に辞退となってしまった。
 フォーメーション的にムリがあるかもしれないが、フレブ(シュツットガルト)、ダレサンドロ、ロシツキーの3人が並ぶ豪華な中盤を期待していたファンにはちょっと残念だったかもしれない。対するドイツ代表は辞退者ゼロ、これは立派である。

 さてこの試合、ベンチに座ってばかりで、すっかり体がなまってしまったアーセナルのGKレーマンに実戦の勘を取り戻させようという、粋な計らいもあるのだとか。主旨は違えど、さすがはチャリティー・マッチである。

 ホスト役のドイツ代表は、この日も10番を背負う選手がいない。
 一方の外国人オール・スターズの方は、ダレッサンドロ、ロシツキーが欠けたとはいえ、10番候補がそれなりにそろっている。結局、マルセリーニョ(ヘルタ・ベルリン)が10番を、フレブ(シュツットガルト)は15番、マカーイ(バイエルン・ミュンヘン)は12番で問題は解決。オールスターズのキャプテンを務めるのはバイエルン・ミュンヘンのマカーイ。実力もさることながら、パーフェクトなドイツ語、この人選は文句なしだろう。

 選手は1人ずつ場内アナウンスに合わせて煙の中から登場。すっかりショーなのかと思われたが、試合はかなりの本気モード。わざとDFが転んだり、GKがキャッチし損ねてゴールを決めさせたりするチャリティーマッチもあるが、この試合ではどの選手も真剣そのもの(もちろん悪質なファウルなどはないが)。日韓ワールドカップ時にキャンプ地の宮崎県高校選抜相手に10-0という冷血試合をやってのけたドイツ代表には、例えチャリティーマッチ・ショーであっても、手を抜くということなどあり得ないのかもしれない。

 さて、試合の方は、先制点を入れたのはドイツ代表。
 26分に、この日フル代表デビューとなったシャルケ04のパンダーからのボールをチームメートのアザモアが見事なヒールパス。これを受けたシュナイダーがそのままゴール正面からシュート、これが決まってドイツ代表が先制。
 その直後の28分、マカーイが見事なボレーシュートを決め同点に追いつくが、2分後には、ヒンケルのパスをバラックがつないで、この日一番の歓声を受けていたアザモアがゴール。前半は、このまま2-1で終了。

 メンバーをガラリと変えて後半がスタートした直後、1月9日以来のゴールに立ったレーマンを不幸が襲う。
 ルシオ、アイウトンと渡ったボールを、現在得点王のミンタルが決めてしまって同点。しかし、その後のレーマン、ナイスセーブを何度も披露し、決して勘が鈍っていないところを見せてくれた。
 結局この後は、両チームとも得点を挙げられず試合は2-2で終了となった。

 選手からの募金20万ユーロ(約2700万円)、チケット収入、スポンサーからの寄付などで、この試合で集まったお金は、なんと460万ユーロ(約6億3000万円)! しかしこれだけではなく、ドイツサッカー協会はすでに被害直後にも150万ユーロ(約2億円)を送っている。
 これほど素晴らしいことをやってのけるドイツ代表。あとは強さが加われば、もう言うことなしだ。

ドイツ代表
GK:カーン(バイエルン・ミュンヘン)
DF:ヒンケル(シュツットガルト)、メルテザッカー(ハノーバー96)、ベアンス(ドルトムント)、パンダー(シャルケ04)
MF:エンゲルハルト(カイザースラウテルン)、シュナイダー(レバークーゼン)、フリンクス、バラック(共にバイエルン・ミュンヘン)
FW:アサモア(シャルケ04)、クラニー(シュツットガルト)

ブンデスリーガ・オールスターズ
GK:ワルミューズ(ドルトムント)
DF:ダバラ、イスマエル(ともにブレーメン)、ファン・ビュイテン(ハンブルガーSV)、シムニッチ(ヘルタ・ベルリン)
MF:メイラ、フレブ(シュツットガルト)、バビッチ、クジノベック(レバークーゼン)
FW:マルセリーニョ(ヘルタ・ベルリン)、マカーイ(バイエルン・ミュンヘン)

ドイツ代表
GK:レーマン(アーセナル)
DF:オボモィエラ(ビーレフェルト)、フリードリッヒ(ヘルタ・ベルリン)、ファーレンホルスト(ブレーメン)、パンダー(シャルケ04)
MF:エンゲルハルト(カイザースラウテルン)、エルンスト、ボロウスキー(共にブレーメン)、シュバインシュタイガー(バイエルン・ミュンヘン)
FW:クローゼ(ブレーメン)、ポドルスキー(ケルン)

ブンデスリーガ・オールスターズ
GK:ユリッチ(ハノーバー96)
DF:コビアシビリ、ボルドン(シャルケ04)、ルシオ(バイエルン・ミュンヘン)、シュタルテリ(ブレーメン)
MF:コバチ(ヘルタ・ベルリン)、サリハミジッチ、ゼ・ロベルト(ともにバイエルン)、リンコン(シャルケ04)
FW:ミンタル(ニュルンベルク)、アイウトン(シャルケ04)

※後半のキャプテンはドイツ代表=クローゼ、オールスターズ=ボルドン

-Saho Kobayashi from Germany-